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#106 イデアマスター―GLASS HEART:出張覚書編
 まかなカテゴライズとして、このグラスハートというシリーズは自分の中で「若木未生の中では一番好きな作品」で、とりあえず「出たら読む」に属している。藤本ひとみでいうところのKZ#1にあたるだろうか。この作家のメイン作じゃないけれど、自分的にはヘタなメインよりこっちの方がデキもいいし面白いじゃん、という。
 その証拠(?)に、あとがきに「(グラスハートは)ファンタジーにくらべて、ぶっちゃけ売れない。人気のあるファンタジー作品の半分とか三分の一の部数しか出ないので、グラスハートを書く暇があればファンタジーを書けという声も当然あったのですが」(p.252)とある。
 自分的にはファンタジー(主にオーラバスター#2を指していると思われる)よりこっちの方が断然面白かった。まあファンタジー押しだったのは作品の面白さだけが問題だったのではなく、「当時(中略)ファンタジーものが流行していて」という、時代の流れみたいなものもあっただろう。それに、書いていたレーベル(コバルト文庫)のターゲットが、こういう話よりファンタジーが好きな世代だったとか、そういうことも。
 そういう時代背景があったのはあったとして、しかしそれを抜きにしても色んな意味で、ファンタジーよりグラスハートの方が出来がよかったと思う、当時も今も。
 という理由と、それから一番最初のイラスト、橋本みつるの絵。もうこれが圧倒的によかった。
 若木未生の文章とか台詞とか展開の癖を見事に打ち消してくれる、強烈な個性のイラストだった。作者独特の表現はなくなったわけではないものの、橋本みつるの絵で読むと全然気にならなかった。#3
 もしグラスハートのイラストが橋本みつるじゃなければ、最後までこの作品を読むこともなく、こうして感想を書くこともなかったかもしれない。

 というわけで、新イラストの藤田貴美氏には悪いけど、今回も脳内では橋本みつるの西条朱音と高岡尚と坂本君と藤谷直季とテン・ブランクでお送りされました。
 あとがきによると、今後BIRZ NOVELSからそれまでの巻も随時刊行されるらしい。恐らく藤田貴美のイラストで出るのだろうけど、個人的に橋本みつるがいい!と思う。はっきりいって橋本みつるじゃないグラスハートなんて
 間違ってるから。完全に。
 とか言い切りたくなる。
 あの1巻のフジタニナオキ。
 あれがグラスハートでしょ。
 前回までに、音楽至上主義やってんのに恋愛持ち込むな、スポ根にLOVEはいらないのだ、というような感想を持っていた。そんな記憶しかないまま、この『イデアマスター』を開いた。
 音楽至上主義から恋愛、という横道に反れたのではなく、音楽至上主義というテーゼの中で、西条が、他のみんなが取り違えたり間違えたりしている、そこからどう本道(=音楽至上主義)に持っていくか、ということを書こうとしてたんだな、と最後の方で解釈できた。(あってるのかどうかわからんが)
 そして藤谷先生は音楽のメタファーとしての存在でしかないのだ、この場合。
 だから西条は音楽に焦がれている同じ地上の人間の坂本君と結婚する、とかいうのかもしれない。

 しかし、正直読んでいてやっぱりよくわかんねえなぁ、というところが度々あった。
 それは作者の非常に独特な理論で展開している部分であり、加えて己の理解力が不足しているのだと思われる。が、何がどうしてそうなるわけ?というところがあり、とうとう途中で理解を放棄た。…大人になった証拠である。
 要するに、なんで坂本君があそこで西条にプロポーズすんのかわからない(皆わかってるのだろうか?)。真崎桐哉とかはわかりやすいのに、キモの部分がわからない。あ、ちなみにオーバークロームのフルネームがまだ空で言える#4ぞ!

 結局、最後の最後でフジタニ先生が西条のことを「ドラム素人だったくせに、いきなりテン・ブランクなんて大変な場所で叩いた人だよ、天才すぎるよ」(p.239 下線は傍点の代わり、引用者)と言っていて、あーそれを先生に言わせちゃうのか、そこへ持っていくのか、と思った。
 たぶん先生が西条を天才と言うのは最初で最後だと思う。もちろん1巻から先生を始め、音楽的最高潮ハイレベルな人々に囲まれて西条がTBやって、そりゃあ西条にも非凡な才能があるんだろう、とそういうところは確かにあったけれど、それくらいにしか書かれていた。少なくともダイレクトには言われていなかった。西条が周りを「天才!神!!」と言いまくっていて、その中にいるアナタも相当なものが?という位だった。まあ最後だし、主人公だし、それくらいはアリなのかも…しれない…。

 なにか凄く全体的にけなし気味のことを言っている気がしてきたけれど…

 活動休止中に西条がドラマーなのにソロアルバム出す、という展開は、TBというバンドをうまく生かして変遷させていて、違和感なく順当に読めた。
 文章が上手いとか下手とかはともかく(あっ!)、書き方は疾走感があるし、人間関係と世界観も上手く描かれていて(時々理解不能だけど)、面白い。
 それに、西条が上の人に媚びないところがいい。だから読めるんだな。これはグラスハートが好きな人は、だいたい皆同じなんじゃないだろうか。西条の敬語っぽいしゃべりも、緩衝材になっていると思う。
 実際にバンドをやってる人がどう思うのか皆目わからないけれど、音楽っていいよな、バンドとか仲間っていいよな、って口に出さなくても読んでいて感じるんじゃないだろうか。文字にすると一気に脱力してしまうけど。
 だから最後に、TBが活動再開する野外フェスのステージで、何でもないように藤谷先生が西条朱音の『海と黄金』を歌うシーンを読み終えて、ほっとしたような寂しいような嬉しいような、長編とかシリーズ小説を読み終えた時に感じる、特別な想いが湧き上がってくるんだと思う。
 テン・ブランク(彼ら)は描かれずとも、この先も前に前進していくのだろう、と思う時、これぞ小説の醍醐味だと感じるし、結果的に読者にそう思わせることが、この作品の評価そのものだと言えるんじゃないだろうか。
 リアルさとか、視野とか、とりあず瑣末なことは全部無視して、音楽(バンド)を小説で描くことができた作品だと思う。
 そして、これから読む人には是非!!橋本みつるのイラストで読んでほしい、強く!
March 26, 2009

 
notes
#1: 一昔前のコバルト文庫の代表作家。メインは漫画家マリナシリーズと銀バラこと銀の薔薇騎士団なのだが、KZという異色な感じの話が一番よかったように思う。
#2: ハイスクール・オーラバスターというファンタジーがこの作家の代表作のはず。完結しているのだろうか?(2009年現在)
#3: 私だけだろか?
#4: 何の意味が?オーバークローム、けっこう好きだった。オーバーナイト・サイバナイテッド・クローマティック・ブレイドフォース、だったはず。(確か)


|K | [Domestic]若木 未生 |comments(4) | trackbacks(1) |
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こんばんは!

私はオーラバも結構好きなんですが、やっぱりグラスハートは特別な位置にある作品です。待ってて良かった。
必ずしも美しいストーリー展開でも文章でもないけれど、
それでもとんでもなく求心力のある作品だと思います。


やっぱりね、橋本さんのイラストが良かったですよ。
残念です。
| 千砂 | 2009/03/27 12:55 AM |
そうですね。
熱血、青春、って感じですよね。

イラストについて同じように感じている方がいて嬉しいです。
なんかまた読み返したくなってきた。
| K | 2009/03/27 1:11 PM |
不躾に申し訳ありません。

オーヴァーサイト・サイバナイデッド・
クローマティック・ブレイドフォース

です。
| 海音 | 2010/06/13 1:24 AM |
ああ…
訂正頂きまして、心からありがとうございます。
そしてすみません。(誰に謝っているのかいまいちわからないですが)
フルネームが空で言えると言ってこの体たらく…言葉もないです。
これからなにかを豪語するときは気をつけよう。
(というより、そもそも豪語しない方がいいのでは)

海音さん、どうもありがとうございました。
| K | 2010/10/26 1:37 PM |









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「イデアマスター」 若木未生
迷ったのですが、書かずに済ませるのはフェアじゃない。 イデアマスター―GLASS HEART (バーズノベルス)(2009/02)若木 未生商品詳細を見る 音楽の...
| 乱読にもほどがあるッ! | 2009/03/27 12:46 AM |
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