読書百冊意自通ズ覚書

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#075 誘拐
ガブリエル ガルシア=マルケス
角川春樹事務所

 頁目をめくり、冒頭の「謝辞」の部分を読んでこの本がガルシア=マルケスの描く誘拐の「物語」ではなく、数々の人を苦悩と悲劇に陥れた、コロン ビアで実際に起こった誘拐事件の記録である事を知った。私は少なからず衝撃を受けた。なぜなら、誘拐事件とは、たいてい人質は殺害されてしまう事件だと思っていたからだ。もちろんここに書かれる誘拐事件でも、2人の人質が不幸にも──本当に不幸なことに──亡くなっているが、生還し、そして実社会へと帰り来る者がいる。
 彼らが再び家族と社会の元へ帰り来ることができたのは、この誘拐事件が「ひとつの誘拐団によって、たったひとつの目的のために誘拐された事件だった (p.i-謝辞)」からだろう。それが、パブロ・エスコバルの投降のための政治的取引きであるということが、本書の中で明らかにされている。
 あとがきは最後あとに読むものとしていつも最後に読むけれど、今回の「訳者あとがき」ははじめに読んだ方がより良いと思った。コロンビア人の姓名について解説があるから、マルーハ・パチョンとアルベルト・ビヤミサルが夫婦である事がすぐ理解できるし#1、エスコバルについても予備知識があった方がより本文がスムーズに理解できると思う。

 半年間もの間、誘拐され軟禁された人間の心理状態とは如何なるものなのか、恐る恐るといった気持ちで読み始めた。彼らが極限状態にあるであろう事は容易に想像でき、そしてそれはまた想像を絶する体験だった。
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#045 百年の孤独
G. ガルシア=マルケス
新潮社

 天使ガブリエルの名を持つラテン・アメリカ文学界において最も偉大な作家の一人、ガブリエル・ガリシア=マルケスの作品の中で、最も有名にして大長編、「空前のベストセラー」#1であり、1982年にノーベル文学賞受賞に至る作品となったのがこの『百年の孤独』である。
 訳者鼓直氏が「あとがき」で言っているように、「ガルシア=マルケスの世界を語るためには、ぜひこの『百年の孤独』がよまれなかればならない」(p.433)作品であり、自分もまた読み終えて深くそう思う。

 冒頭が、アウレリャノ・ブエンディア大佐が「銃殺隊の前に立つはめになったとき」(p.5)から始まっているので、その後がウルスラ・イグアランとその 夫、ホセ・アルアディオ・ブエンディアのストーリーだと理解するまでに時間がかかった。そして、こんな驚きは実に素人的なのだろうけれど、あのマコンドという村が、このホセ・アルアディオ・ブエンディアによって拓かれた──それも多くの苦難の上に──事に、正直びっくりしてしまった。だいたい、マコンドがこんな辺境な地にあるなんて思っていなかったし(田舎だろうとは思っていたが)、何となく元々人が住み着いていて自然と村になったと勝手に思っていたのだ。そのマコンドの開拓、そして開拓した一族が描かれているわけで、この『百年の孤独』はガルシア=マルケスを知るにあたって、重要な作品だと言えるだろう。#2
 読んでいる最中、大変だったのは、名前を覚える事と、人物像を覚える事だ。似たような名前がすごく多くて、すぐ混乱してしまうし、1人1人書かれているエピソードのうち、一体どれが誰のものだったかすぐわからなくなってしまうのだ。#3
 全体を通してはウルスラを中心に据えて、前半から後半始めにかけてをアウレリャノ・ブエンディア大佐に、大佐が出てこなかったり、死んでしまってか らはアウレリャノ・セグンドに寄りかかって読み進めていった。それでも、ラテン・アメリカ人の名前が耳慣れないのと、同じような名前があまりにも多いせいで、ごっちゃになる事もしばしばだった。物語の最後の方で、やっと誰が誰なのかという事と、物語の流れがどこから流れてきて、どういう方向へ向かって行こ うとしているのか、やっとわかってきたので──結論だけ先に(しかもたくさん)書かれる事が多いので、すっかり混乱してしまうのだ──もう一度読めば、きっともっと理解できると思う。一度で理解するには、あまりにも壮大すぎるのだ。

 以前に「ガルシア=マルケスは私の好きなタイプの作家」#4と言ったけれど、今もそう思う。
  ホセ・アルアディオ・ブエンディアが体重を自由にあやつることができたので、むちゃくちゃ重くして何人かがかりでないと動かせなかったとか、アマランタが アウレリャノ・ブエンディア大佐の17人の子供を教会へ連れてゆき、アントニオ・イザベル神父が額に灰で十字のしるしを描くと大佐の子供17人だけその灰十字が消えなかった(p.232)etc. etc.……こういったエピソードがそこかしこに散らばっている。超自然的な出来事をあたり前の出来事として書いている。それはまさにガルシア=マルケス的世界であり、物語的世界である。

 本書を、半ば幻想世界に引きずり込まれながら読み終えた。ただでさえ長く、複雑かつ、今まで読んできた、既知の作品にはない要素のつまった、覚書するのが難しい作品で、読み終えた直後から、一体何を覚書すればいいのか正直わからなかった。
 『百年の孤独』はすごく壮大だった。壮大すぎる。あまりにも色々な事が書かれ過ぎていて、私は何がなんだかわからなくなってしまったのだ。
 それでも、この孤独を抱えながら生きていくブエンディア家の人々、マコンドの住人、その歴史に、物語を読むよろこびを感じるさせられる。

 最後に。
 物語の途中からずっと思っていたのだけれど。
 ウルスラは、一体いくつまで生き続けたんだ?
July 29th, 2002
Original: "Cien Anos de Soledad", 1967



notes
#1:
裏表紙内側の折り部分、作者の紹介文より。
#2: 今まで読んできた2冊(覚書#022『ママ・グランデの葬儀』#025『十二の遍歴の物語』)では本書を未読だったため、マコンドについて知らなかった事を思うと、一層強くそう思われる。
#3: それでも、はじめからよくわかったウルスラを始め、ホセ・アルアディオ・アウレリャノ・ブエンディア大佐(大佐は“大佐 ”がつくから比較的わかり易い)、レメディオス・アマランタ、ピラル・テルネラ、サンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダ……くらいはわかった。長く登場する人 はわりにわかる。時代が下がるとダメだ。
#4: 覚書#025『十二の遍歴の物語』にて。


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#025 十二の遍歴の物語
 ルシア=マルケスは2冊目だけれど、読む前にこの12の短編の目次を見て、好きなタイプの作家だと悟った。好感が持てる#1タ イトルの羅列。タイトルに惹かれたまま、本文に入る。 始めに持った期待感、物語的世界(つまりガルシア=マルケスワールド)はへの予想は、とても良い意味で裏切られることがないまま、12の物語は終了した。 読み終えた後も削られることのなかった好感に改めて思う、ガルシア=マルケスは好きなタイプの作家だと。それからふと、自分の好きな作家を思い浮かべて、ガルシア=マルケスと彼らにちゃんと共通点があることにも気がついた。要するに、あれこれ考えるまでもなく、ガルシア=マルケスは好みの作家だったのだ。
 12の物語を通して思うのは、このラテン・アメリカの作家はどうしようもなくヨーロッパを含んでいるという事だ。それはこの12の物語の舞台が、それぞれ「二十年前にヨーロッパで生きたことはどれも本当ではないのかもしれない」(p.11)とガルシア=マルケス本人が緒言で述べているように、二十年前の ヨーロッパの亡霊なのだから、当たり前と言えるのだろう。訳者のあとがきにもあるように、ガルシア=マルケスはコロンビアの作家と言われているけれども、 その殆どはコロンビアには住まず、「ヨーロッパのラテン・アメリカ人」として過ごして来たわけで、それがすごく大きな要因となっている事は明らかだ。ラテン・アメリカが舞台の「マコンド」でさえ、ある主ヨーロッパ的なスパイスが効いているように思える。つまりそれが、ガルシア=マルケスが「ヨーロッパのラ テン・アメリカ人」と言われる所以なのだ。
 12の物語について1つ1つ書いているといくらでも時間がかかってしまうので、以下できるだけ手短にまとめ的に書き出してみる。
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|K | [Foreign]G. ガルシア=マルケス |comments(2) | trackbacks(0) |
#022 ママ・グランデの葬儀
 ルシア=マルケスな る作家の名前は『百年の孤独』で知っていた。『百年の孤独』がノーベル文学賞作品だというので、いつかは読もうと頭の片隅に入れてあった。
 この本を実際に図書館で見つけて借りてくるに至るには、丸谷#1の 書評の存在が大きい。丸谷は書評にわりとラテン・アメリカ文学を、ガルシア=マルケス、バルガス=リョサ、ボルヘス、等の作家の書評を書いている。それで、ガルシア=マルケスに限らず、ラテン・アメリカ文学を読んでみたい、ともともと思っていたし、その中で、やはり一番耳慣れているのはガルシア=マルケスだった。
 図書館で見つけたこの国書刊行会のラテン・アメリカ文学叢書は『小犬たち/ボスたち』(バルガス=リョサ)、『エバリスト・ガブリエ ゴ』(J.L. ボルヘス)など16冊も刊行しているけれど、その中でどうせなら、丸谷が書評で取り上げている作品を読もうと、16冊を目の前にして思った。そして『ママ・グランデの葬儀』は、丸谷の書評『ウナギと山芋』#2の中で「あ、丸谷が書評に書いていたな」と見た瞬間思い出した。

 作品はどれも読み易かった。読書家の世界では周知の事実なのだろうけれど、架空の村マコンドが舞台のお話で、でも始めはそうと気づかないでいた。後半になるにつれて、「バルタサルの素敵な午後」のドン・チェペ・モンティエルや、「モンティエルの未亡人」が同一家の人物であるということや、中盤から「ママ・グランデの葬儀」まで、アントニオ・イザベル 神父が登場していることに気がついて、最初は土地が一緒なのではなく、人物だけを「つなげて」短編同士をぼんやりつなげているだけなのかと思った。しかし 解説にマコンドが舞台、とあって、なるほどとに 落ちると同時に、ただ人物だけをそっと気がつく「かもしれない」という程度でつなげていたのとは全く違う、同じ土地のいくつかの物語としてとらえることができた。この「マコンド」が舞台、ということはものすごく、何というか、この小説を──物語をまとめさせているし、ガルシア=マルケスの世界を端的な形で あらわしていると思う。#3

  最後に。 投げかけたい疑問──それは「どうして火曜日なのだ」ということ、そして、「土曜日の次の日は日曜日だ」。
May 19th, 2001
Original: "Los Funerales De La Mama Grande", 1982

『ママ・グランデの葬儀』
火曜日の昼寝 9
最近のある日 21
この村に泥棒はいない 29
バルタサルの素敵な午後 71
モンティエルの未亡人 87
土曜日の次の日 99
造花のバラ 131
ママ・グランデの葬儀 143



notes
#1:
丸谷才一のこと。ここでは『遊び時間』というタイトルで2巻までエッセイや書評の収録された本のことを指している。
#2: 覚書もしている。覚書#018『ウナギと山芋』
#3: 『百年の孤独』を読めばマコンドについては自ずとわかることではあるが、未読と考えると妥当な感想か。





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