読書百冊意自通ズ覚書

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#019 ヴィヨンの妻
 『ヴィヨンの妻』は、勝手に中編小説だと思っていた。なぜなら、文庫の厚さが中編くらいだったから。短編だったのか。
 太宰は短編の作家なのだと、ここまできてやっと納得した。(あんまり考えていなかった)おまけに、その短編というのが、同じような話——つまり、主人公が自分に似ている(自伝である)という——の繰り返しだ。
 もちろん、解説で亀井勝一郎#1のいうように、自伝的な中にとても巧妙に虚構を折り混ぜているわけで、全てが太宰本人の事実的出来事ではない。同じような話が繰り返される短編をたくさん読んでいると、太宰の虚構、アフォリズムの巧さというのがよくわかる。だいたい、例えこれらの小説がほぼ自分の体験をそのまま書いているとして、これだけのバージョンで書けるだろうか?素直に体験を書く前提で何通りかのバージョンに分けて書いているにしても、このバリエーション(と、一言で言えるものでもないが)はすごい。それなのに、題材にはしていても100%体験を書いているわけではなく、始めから話のある部分とか、何分の一とかは作られているわけだ。これはすごい。
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|K | [Domestic]太宰 治 |comments(0) | trackbacks(0) |
#015 晩年
『晩年』は総じて面白かった。
 前回#1の「富嶽百景」「東京八景」「帰去来」「故郷」と併せて、この「思い出」でさらに太宰のことがよくわかることができた。「魚服記」もよかった。しかしキリシタンものはユダと併せて苦手なので、大河ドラマ風に想像して読んだ。そういう、宣教師が出るやつがあった記憶が…あの、「今宵はここまでにいたしとうございます」で終わるやつ。#2

「ロマネスク」が一番よかった。こういう日本の昔話的設定は元来苦手なのだけど、にも関わらずこれは面白かった。
 鍬形太郎が仙術を身につける、というのが面白い。解説の饗庭孝男氏は「このまとめ役が嘘の三郎であることが、彼が三つの物語の中でもっとも生彩を放って描かれている」と述べているけれど、個人的に三郎はどうか、と思う。確かに作品を通して云々…というのはこの嘘の三郎かもしれないけど、それだけに現実に引き戻されてしまい、お伽噺として読み切れない。その点、仙術太郎のように突出して「ココ!」という話のポイントはないながらも、トータルで物語に引きつけられたのは喧嘩次郎兵衛である。この話は、引きつけられていることに終わるまで気づかなかったけれど、振り返ってみると面白かった。

 十四編の小説を読んで、十一編目の「ロマネスク」を読んでいて思うようになってきたのは——それは面白いと感じたから思い始めたのだろうけど——この太宰という人は、「文章を書く」才能がすごいということ。内容云々の前に、日本語の流れるようなつづられ方に、惚れ惚れしてしまう。ボキャブラリーが豊富で、文章そのものが恐ろしく上手い。
 思い返してみるに、かつてこんな印象を受けた作家はいない。#3おそらく、太宰の作品はやっぱり内容で評価され、論じられるけど(それが『人間失格』etc...になれば余計に)この人は自分の中の何かを表現せずにはいられず、その方法が小説・物語だった、というのではなくて、ただ単に、ひたすら「文章を書くこと」「日本語をつづること」が好きだったのだと思う。そこに内容や思想などかがなかったとしても。そういう文章だと感じだ。これは誰が、どんなにえらくてすごい評論家が何と言おうが、絶対に当たっている。
 だってそうなんです。単なる事実なんです。#4と、強く思った。
March 5th, 2001

『晩年』
葉 7
思い出 25
魚服記 68
列車 78
地球図 83
猿ヶ島 94
雀こ 105
猿面冠者 111
逆行 132
彼は昔の彼ならず 150
ロマネスク 195
玩具 222
陰火 230
めくら草紙 252

 
notes
#1: 覚書#013『走れメロス』のこと。
#2: 1988年にNHKで放送された大河ドラマ「武田信玄」。そんな昔だったのか、という驚きが。
#3: これについてはちょっと考えてみたけれど、三島も村上も芥川も漱石も鴎外も谷崎も安部君も違った。他にもたくさん作家はいるので、断言できないが。
#4: この覚書を書いた時は強くそう思っていたので、こんな風に書いているが、今でもそう思うかというと正直ちょっと確信が持てない。しかし、そう感じたということは事実なので、あえて修正せず、そのまま記載する。(2007)
後に奥野健男の『太宰治』論を読んだが(覚書#110)、奥野健男はそこで太宰のことを「言葉の魔術師」と表しており、この感想もあながち外れていなかったと思わされた。(2013)

 
|K | [Domestic]太宰 治 |comments(0) | trackbacks(0) |
#012 走れメロス
 まで読んだ太宰作品#1は、どうやら晩年(後期)のものばかりだったようで、中期の作品が多いこの短編集で持っていたイメージがずい分と変わった。晩年の作品に比べて、一言で言うとやる気を感じる。頭で考えていることよりも、心象が描かれているとでもいうところだろうか。解説で奥野健男が「太宰は好きか嫌いかハッキリ二分される作家だ」と書いているけれど、こうしてみると時期によって印象もかなり変わるし、そうとも言い切れない気がした。
 また、太宰の自伝的小説が多々あり#2、これまでの太宰のがよくわかった。 今回初めて、太宰が井伏鱒二のことを師事していたと知ってびっくりした。#3……。 自殺未遂したのも二回(二度目で死んだ)と思っていたのに、何度かしていたというし、ほかにも、へー、太宰っていちおうマトモに結婚していたのかぁ、とか、へー、太宰って青森(津軽)出身なんだぁ、とか、へー、太宰って東大中退したのかぁ、などなど、太宰情報満載だった。#4とはいえ、ノンフィクションではないので、作品全てが事実ではないことも踏まえておかなければならないだろう。

 各作品について少し。
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|K | [Domestic]太宰 治 |comments(0) | trackbacks(0) |
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